夏が近づくにつれ、日頃の感謝のしるしに「これからも変わらないお付き合いを」という思いを込めて、お中元・夏ギフトを検討する方もいらっしゃると思います。
お中元は、親しい方やお世話になった方へ日頃の感謝を伝えるための大切なコミュニケーションツールの1つとして、2020年コロナで生活様式が変化し、さまざまなことで自粛を強いられることもあり、改めて注目されています。
そこで、お中元でもらって嬉しいものをカテゴリ別に分けて紹介しています!
また、喜んでいただくのはもちろんのこと、お世話になった方へ贈るものだけに、失礼がないようにしたいするため、お中元に関する基礎知識として、お中元の地域別(北海道・関東・関西・九州・沖縄など)の時期、のし(熨斗)の種類や、お中元を贈るときののし(熨斗)の選び方をご紹介しますので、ぜひお役立てください。なお、お中元の由来や歴史についても追記しておりますので、合わせてご参照ください。
なお、百貨店や総合スーパーで取り扱っているお中元一覧もまとめていますので、お中元購入をご検討の際には、合わせてご覧ください。
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お中元もらってうれしいギフトランキング
1. スイーツ・洋菓子
アンリ・シャルパンティエは、「高島屋」や「三越」「伊勢丹」などギフト用スイーツ・洋菓子として提供しており、大切な日の大切な人への贈りものに高い支持を集めるハイクオリティなフォーマルブランドです。百貨店では毎シーズン、定番のギフトとして常に上位に選ばれる人気のギフト用品です。
なお、下記商品は人気ランキングのTOP3を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
参考お中元で人気の洋菓子ギフトアンリ・シャルパンティエをみる
2. ハム
廣岡揮八郎の三田屋は、全国展開している総合スーパー「イオン」などでも取引のあるハム専門店で、兵庫県下に展開しているステーキハウスでのフルコースの一品としても提供されているハムをギフトとして用意しています。朝食から夜のメインディッシュまでさまざまな用途で食べられるハムは、CMでもおなじみで、贈り物にぴったり!
なお、下記商品はギフトとしておすすめ商品を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
3. 焼肉などの肉ギフト
特選松阪牛やまとは、スーパーマーケット「ライフ」などでも取引のある松坂牛専門店で、15年連続松阪牛チャンピオン牛の落札を肉質と味にこだわり抜いた人気店!しかも、各種熨斗の名入れ対応、メッセージカードや写真同封、化粧箱入り(桐箱・風呂敷は有料)が無料というのもうれしいサービス。
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地域別のお中元時期
お中元の贈る時期
お中元の慣習が昔ほど当たり前に贈ることがなくなりつつある昨今、「お中元っていつ頃?何月何日など決まってる?」など、わからない人もいらっしゃると思います。お中元を送る時期は、実は地方によって多少ずれがあり、首都圏・関東圏では7月上旬から15日ごろまでに送るのが一般的です。最近では6月下旬から7月15日ごろまでに贈ることが一般的になっています。
万が一、お中元を送りたかった方で、発送時期を過ぎても、表書きを立秋(8月上旬にあたる8月8日か9日)までは「暑中御見舞」に、立秋以降は「残暑御見舞」に変えて贈れば失礼はありません。
また、その際の贈り先が目上の方の場合、それぞれ「暑中御伺い」「残暑御伺い」とします。首都圏以外は7月上旬から8月中旬(15日あたり)までお中元の期間ですが、立秋などを過ぎたら「残暑御見舞」「残暑御伺い」として贈ります。
なお、お中元は毎年贈るのが一般的です。今年特にお世話になった方や、特別に送りたい方がいる場合は恒例とせずに、「御礼」という表記で贈りましょう。
のし紙は、紅白5本蝶結びにし、贈り主が個人の場合、名前は姓のみとします。
お中元をお贈りする時期は、全国的には7月から8月中旬までが一般的です。沖縄などのように旧暦で行事をおこなう地域もありますので、お相手の地域の慣習に合わせたい場合は、あらかじめ調べたり、その地域の事情に詳しい方に教えてもらうとよいでしょう。
【北海道】7月中旬から8月15日まで
北海道にお中元を送る時期は、7月中旬から8月中旬までとなります。ただし、別の地域では7月中旬よりも早くお中元が届くこともあり、北海道でのお中元の時期も徐々に早まってきている傾向にあります。8月16日以降はお中元ではなく「残暑見舞い」という扱いになります。北海道の方にお中元を贈りたい場合は、8月15日までに届くように手配するとよいでしょう。
【東北・関東】7月上旬から7月15日まで
東北(青森・秋田・山形・岩手・宮城・福島の6県)や関東(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川の1都6県)にお中元を送る時期は、7月1日~7月15日までにお相手に届くよう手配することをおすすめします。
7月16日以降はお中元ではなく残暑見舞い扱いとして贈ることになります。 近年では東京・神奈川などの首都圏を中心にお中元の時期が早まっており、6月中旬(20日ごろ)から贈りはじめる方が増えている傾向にあります。
もともとお中元の文化として、直接持参することがマナーとされていましたが、現在は利便性が向上したことで地理的・時間的にも配送することが一般的です。
一方で、2週間という短い期間にお中元の配送が集中し、日時指定ができない、または日時を指定しても配送が遅れることを想定し、早めに配送する方が増えたと考えられます。
【北陸】7月上旬から7月15日、7月中旬から8月15日(地域によって時期が異なる)
北陸(新潟県、富山県、石川県、福井県の4県、あるいは富山県、石川県、福井県の3県)にお中元を送る場合、関東と同じく7月上旬~7月15日にお中元を贈る地区と、北海道と同じく7月15日~8月15日の時期に贈る地区に分かれます。新潟県や石川県の金沢市など、都市部を中心とした広い範囲で関東と同じ時期に贈るのが一般的です。一方、富山県などでは北海道と同じく7月15日~8月15日に贈ることが多くなります。北陸の方にお中元を贈る場合は、特に注意しましょう。
【東海・関西・中国・四国】7月中旬から8月15日まで
東海(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県の4県)・関西(大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県の2府4県)・中国(広島・岡山・鳥取・島根・山口の5県)・四国(香川・愛媛・徳島・高知の4県)にお中元を送る場合は、7月15日~8月15日までに贈ることが一般的です。
しかし、お中元の時期が最も早い関東の影響を強く受け、年々早くなっています。 お中元として贈ることができる時期は8月15日までのため、8月16日から9月上旬までは残暑見舞い扱いとなります。
9月に入ってから残暑見舞いを贈ると、先方に届くのが遅いと思われる可能性があります。どうしても8月15日までにお中元を贈ることができない場合は、8月25日ごろまでに残暑お見舞いが届くよう手配しましょう。
【九州】8月1日から8月15日まで
九州(福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島)の方にお中元を贈る際は、8月1から8月15日までに届くよう手配しましょう。
ただし、九州でも年々お中元の時期は早まっており、7月中に贈る方も増えているようです。お中元を8月下旬に送る場合は、残暑見舞いとして贈り、関西などの地域と同じく8月下旬(25日頃)までに届くよう手配するようにしましょう。
【沖縄】旧暦の7月15日まで
沖縄は他の地域とは異なり、旧暦の7月15日までにお中元を贈ることが主流です。そのため年によって、お中元の時期が異なります。沖縄の方にお中元を贈る場合は、その年の旧暦7月15日を確認し、その日までに届くようにしましょう。
※2021年の旧暦7月15日は、8月22日(日)にあたります。
参考 旧暦の見方六曜・月齢・旧暦カレンダーお中元の時期が過ぎてしまった場合
「お中元は7月下旬や8月じゃ遅い?」など、もしお中元を贈る時期が過ぎてしまった場合は、暑中見舞いや残暑見舞いとして贈ります。お相手の地域を確認してからどちらのギフトにするか決めてください。暑中見舞い・残暑見舞いの時期について説明します。
【暑中見舞い】7月15日~立秋(8月8日頃)
熨斗(のし)の表書きを「暑中御見舞」、目上の方へお贈りする場合は「暑中御伺」とします。品物の選び方はお中元と同様でいいでしょう。
【残暑見舞い】立秋~8月末
表書きは「残暑御見舞」、目上の方へは「残暑御伺」とします。品物の選び方も暑中見舞いと同様にそれほど気にすることはないでしょう。
お中元は9月に入っても残暑見舞いを贈る場合もありますが、できるだけ8月のうちに贈るようにしましょう。
発送の場合、発送後に連絡をしておくとより丁寧
お中元の期間中であっても、暑中見舞い、残暑見舞いになる場合でも、ギフトを発送する場合は、事前にお相手へ贈り物が届く旨をお知らせしておくのがマナーです。発送後すぐに挨拶状を出したり、親しい間柄の場合は電話をしたりしておきましょう。
お中元をもらった時のマナーは?
お中元はお世話になった目上の方に、目下の方から贈るのが一般的。その場合、お返しの品を贈る必要はありません。
友人、同僚、兄弟などの場合は、同程度の品物でお返しをします。品物を贈らない場合でも、お礼の意を伝えるのは最低限のマナー。よほど親しい仲なら電話やメールでもよいですが、特に目上の方の場合は、ハガキでもよいので手書きのお礼状がおすすめです。
ビジネス上の取引先など、数が多い場合は印刷でも構いません。書き方は相手によっても変わってきますが、外せないのは届いたことを知らせる言葉とお礼。また、いただいた品物に対する気持ちを、自分だけでなく家族、もしくは社員の言葉も共に添えると、形ばかりではない気持ちが伝わります。
このほか、これからも長いお付き合いを願う意味で、相手や家族の健康を気遣う一文を入れて。ビジネスの場合は、「最後になりましたが、貴社のご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます」といった文で締めくくるのもよいでしょう。
お中元を受け取ったらすぐにお礼の連絡をしましょう。まずは電話で、届いたことと感謝の気持ちを伝えます。そして、2、3日後に手紙やはがきでお礼状を出します。お礼状には、暑中見舞いや残暑見舞いなど、その季節に合う時候の挨拶を書き、お中元のお礼や相手の健康を気遣う文章をしたためましょう。
お礼状の文例
拝啓
暑い日が続きますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度は結構な品をいただき、本当にありがとうございました。
新鮮でおいしい果物の味わいに、家族一同、とても喜んでおります。奥様にも、どうぞよろしくお伝えください。
これから暑さも本格的になってまいりますが、くれぐれもお体を大切になさってください。
略儀ながら、書中にて御礼申し上げます。
敬具
お中元ののし(熨斗)とは?
日本では、しきたりに則った正式な進物には、奉書に水引、のしを用いてきました。けれども現代、特に一般的な進物や親しい間柄の場合には、用途別に水引やのしを印刷した掛紙を使用します。これは品物をむき出しにして贈るのは失礼なので、品物を覆う意味できれいな紙で包み、こよりで結んで贈った昔の形が形式化したものです。
「のし」とはもともとは海産物の鮑(あわび)が用いられており、贈答用の食品として最上級品の鮑は長寿繁栄の食べ物で縁起物とされていました。その鮑は飾りとして用いられるようになり「のし鮑」と呼ばれるようになったのが始まりとされています。
現代では「折りのし」といって、紅白の紙を雛人形のように折り、その中に短冊型に切った黄色い紙片を包み込んでいます。この黄色い紙片が、のし鮑が変化したものと言われています。
のし(熨斗)をつけてはいけない贈り物
日本の贈り物のルーツは、神に生ぐさもの(魚・肉)を供えたことからきており、贈り物にのしをつけるのは、その品物がけがれていないしるしでした。
一方で、熨斗はもともと鮑が由来していることもあり、生鮮品(肉やハム、魚介類肉やハム、魚介類)には熨斗を付けません。鰹節も加工されているので、「生ものではない」と思われがちですが、鰹節を贈るときも熨斗は不要です。
お中元で魚や肉などの食品を贈るのであれば、熨斗が付いていない紅白蝶結びの掛紙に「御中元」などと表書きをして、名入れをおこないます。
また、弔事のあった相手に対してお中元を贈る場合は、品物が生ものかどうかにかかわらず、熨斗は使いません。その代わりとして、無地の熨斗紙や水引のない短冊熨斗などを使うのがマナーとされています。
「目上の人に差しあげる物にはすべて熨斗を付けなければならない」、「百貨店で売っている商品だから熨斗を付けても構わない」などと思っている人は注意が必要です。
のし(熨斗)の種類は「短冊熨斗」「掛紙」の2種類
熨斗には「短冊熨斗」と「掛紙」の2種類があり、品物を贈る相手との関係性などによって使い分けるのが一般的です。掛紙は、どのような品物を贈る場合にも付けることができます。
掛紙(かけがみ)とは
掛紙は、お中元・お歳暮などの贈り物で受け取った際によく見る包装装飾で、どのような品物を贈る場合にも付けることができます。
短冊熨斗とは
短冊熨斗は、熨斗紙を簡略化したものです。そのため、上司や年長者など目上の方への贈り物に短冊熨斗を付けると失礼にあたります。やむを得ない場合を除いては使用を控えたほうが無難といえます。
ただし、近年では簡易包装が推進されているなどの理由から、短冊熨斗が使われるケースも増えつつあります。
のし(熨斗)で使われる水引の種類
熨斗で用いられる水引においても、さまざまな種類があります。それぞれの水引も用途によって使い分ける必要があるので確認しましょう。
紅白蝶結び
紅白蝶結びはほどけたとしてもすぐに結びなおせるので、お礼や何度も繰り返してお祝いしても良い場面などで使われます。
紅白蝶結びは使用されるシーンが多岐にわたり、お中元やお歳暮、出産祝いなど、さまざまなお祝い事で用いられます。
紅白結び切り
紅白結び切りは、結び目がほどけにくいという特徴があります。
「一度きり」を願う結婚祝いや結婚式の引き出物などで用いられるのが一般的です。
黒白結び切り
告別式前後の御霊前や御供では、黒白結び切りの水引を使用します。
黒と白の結び切りは「繰り返してはならない事柄」を表すため、通夜や葬儀、法要のお供え物などで用いられます。
黄白結び切り
黄白結び切りは関西地方で多く見られるもので、黒白結び切りと同じ場面で用いられる水引です。
通夜や葬儀、法要のお返しなどに使われるのが一般的です。
のし(熨斗)に名入れするときのマナー
のし紙の名入れは、贈り主が個人か複数か、会社かによってそれぞれマナーが異なります。ここではそれぞれの例をご紹介します。
個人名のみの場合
上段の表書きに対して、下段に小さめに書きます。目下の人には姓だけでも構いません。
会社名・肩書き・住所などを入れる場合
名前の右側に小さめに記入します。
送り先の宛名を入れる場合
上段左に表書きよりやや上に小さく書きます。
連名で代表者の氏名のみを入れる場合
代表者を中央に太く書き、左側に外(他)一同と小さく入れて、他の人の氏名を書いた紙を中に入れます。
連名の場合
目上の人の名前を右から左へ順に書き入れます。連名で3名程度までとします。
連名で左上に宛名を入れる場合は、目上の人の名前を左から右へ順に書き入れます。連名で3名程度までとします。
贈り主が連名で多人数の場合
会社名、部署名、グループ名など「○○一同」と書きます。「有志一同」と書く場合は全員の氏名を書いた紙を中に入れます。
「内のし・外のし」の違い
のしには包装紙の上からのしをかける「外のし」と、贈りものに直接のしをかけてから包装紙で包む「内のし(中のし)」があります。
お名前を広める、広く渡す場合は外のしに、控えめにしたい時や、パーソナルに渡す場合は内のし(中のし)が一般的です。なお、地域によって習慣が異なる場合があります。
お中元の歴史
お中元はいつから始まったのか?
お中元のルーツを紐解いてみると、遠い昔、中国から伝わったとされており、時代とともにその在り方を変えながら、現代までお中元の文化は根強く続いています。
お中元を贈る意味の中心にあるのは「感謝の気持ち」。感謝の気持ちを大切にした行事は、室町時代からはじまり、日本全国に広まったとされています。そして現代でも感謝の気持ちを込めてお中元を贈る文化が今でも行われています。
お中元の由来
お中元の由来と言われている中国の行事「中元」は、中国の道教の祭日である三元の中のひとつです。三元というのは上元:旧暦1月15日、中元:旧暦7月15日、下元:旧暦10月15日の3つの日の総称で、中国ではそれぞれの行事が行われていたそうです。
その中でお中元の元となった「中元」の旧暦7月15日は、地官赦罪大帝(ちかんしゃざいたいてい)という神様の誕生日として定められています。
地官赦罪大帝は犯した罪を許してくれる神様のため、本来の中元には「罪を償う」という意味がこめられているそうです。
上元と下元にも同じようにそれぞれ司る神様がいて、その神様の誕生日を三元として当時、中国の人々はお供え物をしてお祝いをするようになったとされています。
これらの中国の行事が日本に伝わり、なおかつ当時日本にすでに伝えられていたお盆の「盆礼」という風習と結びついたことが、「お中元」の起源といわれています。
お中元とお盆の関係について
中国では同じ7月15日に盂蘭盆会(うらぼんえ)という仏教の行事が行われていたこともあり、中元と盂蘭盆会の行事は一体化していきました。
もともと仏教の一環として中国から伝えられた中国の盂蘭盆会(うらぼんえ)は日本ではお盆の行事となって定着しました。
お盆といえば、思い浮かべるのは「迎え火」「送り火」「盆踊り」などですが、それらと同様のお盆の風習として「盆礼」というものがあります。
このお盆の行事の1つである「盆礼」ですが、盆礼は、お盆に訪問し贈答する儀礼を意味しています。中国から伝わったお供え物をする「中元」と結びつき「お盆の時期」に贈り物のやりとりをするようになったと考えられています。
こうしてお盆の時期にお中元として贈り物のやりとりする文化は、室町時代に上層階級で広まったといわれています。その後、江戸時代に入り市民の間でも徐々に定着していき、現代までお中元は受け継がれています。
また、お中元と同じような風習で、冬に贈り物をする「お歳暮」ですが、日本で行われていた新年の神様へのお供え物を、年の暮れに本家や家元に持っていく行事が、これらの中国の行事と結びついたことが「お歳暮」の由来といわれています。
昭和から今なお続くお中元文化
百貨店の老舗である、松坂屋は、昭和9年にはすでにお中元の配達をしていたことが社内報に記されており、現在のように冷凍便がなかった時代に、日持ちする缶詰や海苔、砂糖、そうめんなどを主に配達していたようです。
なお、当時お中元の贈答品で注目を集めていた、赤ちゃん用の蚊帳、浴衣の反物など。嗜好品よりも実用品が上位を占めており、普段から使ってもらえるものを贈る風習だったようです。
テレビなど家電が普及していった、昭和40年代のお中元で一番人気はビール。家庭用エアコンがまだ普及していなかった時代だけに、真夏の7月に、贈答品の冷えたビールを家で飲むというのは、格別だったことが容易に想像できると思います。
現在では、ギフトカタログといった受け手が選べる商品を贈る商材もありますが、親しき間柄で贈り物を届けるカジュアルギフトやデジタル上で贈り物を届けるギフティングサービスなど、その時代を象徴する形で、贈り物の文化は継承されています。